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zoom RSS 恋する古典語。―「けり」―

<<   作成日時 : 2010/10/20 18:39   >>

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夢の逢ひは苦しかりけり
  覚(おどろ)きてかき探れども手にも触れねば(『万葉集』巻4・741 大伴家持)

上の歌、奈良時代のもので、大体の意味は「夢で逢うことはつらいことだったのですね。目を覚まして手探りしてみても、手にも触れないのですから。」といったところ。んー。切ない。

夢であの人に逢えて幸せ。目が覚めて、ガバッと起きて現実。あわてて布団の辺りをまさぐるけれど、もちろんあの人はいない。部屋は真っ暗。そして異様に静か。あの人はいない。暗闇に自分ひとり。あの人はいない…

「苦しかりけり」の「けり」は、過去からすでに存在していたけれども気づいたのが今、という時によく使われる。現代語にも「けり」じゃないけど、同じ用法を持つ言葉がある。寝坊したと思って大あわてで支度中。やがてある事実に気づいて一言、

「あ、今日祝日だった

探しものをしていてやっと見つけて一言、

「あ、こんなところにあった

などの「た」と同じだ。「祝日」にしろ「探し物」にしろ現在のことを言っているのだけど、「た」を使う。

『万葉集』には「せめて夢でいいから逢いたい」「夢でいいから出てきてください」と詠んだ歌が多い。でも夢で逢えても現実で逢えていないことに変わりはない。だから結局苦しい。そんなこと薄々感づいてはいたけれど、それでもやっぱり夢でいいから逢いたかった。でも夢で逢ってみたら、それはやっぱりたまらなく苦しいものだった…

古典語で「過去の助動詞」と呼ばれている言葉には「き」と「けり」の二つがある。現代語の「た」で訳されるものは他に「つ」「ぬ」「たり」「り」なんかもある。さらに文脈によっては動詞そのままでも「た」と訳される。

でも、この「今気づいた」というニュアンスで使われるのは「けり」だけだ。

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