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zoom RSS 続・言葉を作る話。の話。

<<   作成日時 : 2012/03/14 19:21   >>

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前回に引き続き、造語「創萌力」定着への道を探ってみたい。

定着する造語には、傾向と型(パターン)がある。

型にはいろいろあるが、前回言及した「萌え」の場合、「同音異義語の利用」と「元となる語からの意味範囲の限定」(以下「意味範囲の限定」)という手法が使われている。(用語は学術的に定着しているようなモノではありません。)

前回、「創萌力」という造語にはこのうち「意味範囲の限定」が用いられていることを述べた。この場合、元になる語は同音異義語ではないが、韻を踏んでいる「想像力(そうぞうりょく)」や「妄想力(もうそうりょく)」がそれに当たる。

実は言語研究の世界で、元になる語が何であるかということを証明するのは結構手間がかかるのだが、今回は幸い作者のあきふゆ氏本人が以下のように述べている。

この「創萌力」という言葉、具合がいいことに「想像力」だとか「妄想力」だとか言う比較的耳に馴染みのある言葉と韻を踏んでいる。


つまり造語に際してこれらの語を意識していたことがわかる。(「そううりょく」と連濁して読んだ方が「そうぞうりょく」に音が近づくので、個人的にはそちらをお勧めしたい。「萌」には「ボウ」という読みもある。)

創萌力は、「萌え」方面へとあらぬ想像(妄想)をする力のことであるから、想像力や妄想力の方が意味範囲が広い。妄想力は想像力の一種であり、創萌力は妄想力の一種である。図示すれば以下のようになる。(たぶん。)

想像力⊃妄想力⊃創萌力


(「A⊃B」という記号は、Bの集合はAの集合に含まれ、かつA≠Bであることを示す。)
これは一見、「萌え」が「燃え」を語源とする点と似ている。おそらく使われ出した当初は同じように「燃え⊃萌え」という関係であっただろう。また、だからこそ前回「意味範囲の限定」という共通点を持つことを指摘した。

しかし、現在の「萌え」と「燃え」は別語であるだけでなく、「燃え」が「萌え」の意味を含むことはなくなっている。小学校の漢字テストでたびたび出題されて悩まされた方も多いと思うが、「納める/収める/治める/修める」「図る/計る/測る/謀る/量る/諮る/」の違いのようなものと考えるとよいだろう。

むしろ図から明らかなように、想像力から誕生した「妄想力」の方が、より「創萌力」の造語法に近い。

つまり、「創萌力」は一見、「萌え」と同じ造語法に見えて実はそうではなく、「妄想力」と同じ型に依っている。「妄想力」誕生の経緯を繰り返し、さらに意味を細分化させたものなのである

そこで、「創萌力」が「妄想力」と同じく、和製漢語(漢字の音読みで構成されている語は基本、漢語です)である点に注目してみよう。

すると、「創萌力」の上位概念である「妄想力」もまた新語かつ漢語であることに気がつく。「妄想力」自体、いわゆる「萌え」方面でよく使用される語であり、語の使用場面という点で「創萌力」と共通する。

しかし、語構成を比べてみると「妄想力」が既存の「妄想」という熟語を利用しているのに対し、「創萌力」は「創萌」という熟語と「創萌力」という熟語を同時に作っていることがわかる。

「妄想」+「力」 → 「妄想力」

「創」+「萌」 → 「創萌」
           「創萌」+「力」 → 「創萌力」


「女子力」や「腐女子」といった漢語を用いた他の新語も妄想力と同様の原理を利用している。(なお、「腐女子」の場合は「婦女子」という語の「婦」を「腐」に置き換えて意味範囲の限定をしている点で、「萌え」にも通じている。サンプルが少ないので断定はできないが、「同音の漢字を利用して同音異義語を作る」手法はこのジャンルにおける訴求力が高いのかもしれない。)

「創萌力」の前提となる熟語「創萌」自体が造語であるため、初見では理解に時間がかかる。「創萌力」の浸透を阻む要因の一つは、この点に求められる。「創萌力」は一瞬では意味が理解できない。そのため、漢語の「堅苦しい」イメージが前面に出てきてしまうのである。これが前回「萌えぢから」との比較で述べた、「萌え」の持つイメージや使用場面との相性の悪さへと繋がっていく。

では、「創萌力」を定着させるには何が必要だろうか。(前回も少し触れたように、手っ取り早いのは影響力のある場もしくは人物による多用であるが、これは運の要素が強いため、ここでは扱わないこととする。)

評論的文章での使用や感情の吐露においての使用が望ましいことは前回述べた。しかし、これは類義語との文体的棲み分けを狙った消極的な方略であり、根本的な解決には繋がらない。では、どうするか。何が必要なのだろうか。

それは、他ならぬ「創萌力」である。

(以下、まさかの「次回に続く」)


【3/19追記】
本記事中では「そうぼうりょく」と連濁させて読むことを提案しているが、訂正したい。作者のあきふゆ氏が「そうほうりょく」と読ませている点、そして連濁させると「暴力」と聞こえてしまう点から、やはり本来の「そうほうりょく」と読むのが適切であるというのが現時点での考えである。



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【繰り返しますが注意です】この記事は馬鹿馬鹿しいことを大まじめに論じているため、読んだあと損をした気分になる恐れがあります。予めご了承の上、苦情などはご勘弁いただきますようお願い申し上げます。 ...続きを見る
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2012/03/15 18:28

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
バカバカしいと、罵る予定が、読み込んで次を期待してしまっている
「創萌力」どうすりゃ流行るんだろう?
「続・言葉を作る話。の話。」について
2012/03/14 20:12
コメントありがとうございます。
期待に添えていると良いのですが。
takosan
2012/03/15 18:47

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