takosan's blog

アクセスカウンタ

zoom RSS 「武勇伝」の初出を探してみる。

<<   作成日時 : 2012/03/28 18:43   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「武勇伝」の初出を遡れるか、試してみよう。とりあえず、前回引用した『精選版日本国語大辞典』で再確認。
【武勇伝】《名》[1]武勇にすぐれた人の伝記。
         *嚼氷冷語(1899)〈内田魯庵〉
         「地方新聞は相変らずお家騒動若くは武勇伝(ブユウデン)
         的の小説を好むさうだから」
         [2]勇ましいてがらばなし。転じて、酒の上の乱暴や、腕力
         沙汰などをひやかしていう語。
         *ノリソダ騒動記(1952-53)〈杉浦明平〉九
         「釜之助の武勇伝が町民をよろこばすまでには至っていな
         い」

[1]に挙がっている1899(明治32)年より古い用例はあるだろうか。たぶんある。なぜなら、用例には「地方新聞は相変わらず〜武勇伝的の小説を〜」とあるからだ。地方新聞が武勇伝的の小説を「相変わらず」好むということは、中央ではもっと前に武勇伝的の小説が好まれた時期があったということになる。おそらく戦国武将などの伝記が流行ったということだろう。

ということは、内田魯庵の『嚼氷冷語』が出版された明治32年以前に、「○○武勇伝」という名前の本が出版されていても不思議は無い。地の文に用例は無くても、書物のタイトルに「武勇伝」という日本語が使われているのではないだろうか。

こういうときは、国立国会図書館のサイトの「国立国会図書館サーチ」や国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録」を使うとよい。

「国立国会図書館サーチ」の検索結果

国立国会図書館サーチで年代順に表示させると、1848(弘化5、嘉永元)年の為永春水『荒川武勇伝』が古い(『絵本高木武勇伝』は明治18年12月を1812年と表示している)。これは『嚼氷冷語』の1899年より51年早い

さらに「日本古典籍綜合目録」で確認すると、十返舎一九『玄徳武勇伝』の初版が1802(享和2)年。十返舎一九は弥次さん喜多さんでお馴染みの『東海道中膝栗毛』の作者だ。

国立国会図書館で再確認すると、1808(文化5)年版を発見。なぜか初版の刊行年が未記入のため、年代順で見つけにくかったようだ。初版の情報が正しければ、『日本国語大辞典』の初出例から97年遡ることに成功した。ほぼ一世紀だから、昨日思いついたにしてはまあまあじゃないかな。

年代が表示されていない『武勇伝』が他にもあるので、ひょっとしたらもう少し遡れるのかもしれない。僕が江戸文学に詳しかったらすぐわかるんだろうなぁと思うと、日頃の勉強不足が身にしみる。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「武勇伝」の初出を探してみる。 takosan's blog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる