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zoom RSS 「お前はもう死んでいる」。

<<   作成日時 : 2012/11/15 18:38   >>

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先日、大学院生向けの演習で「お前はもう死んでいる」というケンシロウのセリフの話になった。

「死んでいる」というのは通常、「死にかけている」わけでも「死ぬ直前」でも「死につつあるところ」でもなく、「死んだ」あとの状態が持続していることを言う。

これは「ドアが開いている」「エアコンが壊れている」「二人は結婚している」などと同じ。一方、「走っている」「泣いている」等は動作中の意味になる。動詞の意味によって「ている」が表す状況が変わるのだ。

そんな話をしたところ、学生さんの一人が、

「お前はもう、死んでいる…」

とつぶやいた。僕は『北斗の拳』世代ではあるけれど、僕が言い出したわけではない。他の学生さんも出典がわかったようで、「それは漫画やろ」とツッコミが入る。そうか、20代前半はまだわかるのか。すかさず拾ってみる。

「うん、そうそう。『お前はもう死んでいる』ってのはね、もう結果は出ちゃってる、気づいてないだろうけど、死んじゃってますよってコトだよね。あのセリフってのは別に『今死にかけている』って意味じゃない。死にかけなら助かるかも知れないからね。ケンシロウがさ、そう言ってるときにはもう助からない状態まで行っちゃってるときだから」

「あー」

「つまり、本人が気づかないだけで、もう『死ぬ』と言う結果が出たあとですよ、と。普通はね、そんな結果出ちゃったら(死んでしまったら)『お前は』なんて相手に言わないけど。聞けないからね」

「あはは」

「『彼は3年前に死んでいる』『道路で車に轢かれたカエルが死んでいる』ってのは自然でしょ。だから問題なのは『お前は』の部分なんだよね。死んでいる人は普通、相手の話聞けない。だから本来はおかしい」

「あー」

「でも、聞けちゃうのに結果は出てる、死んでいるっていう技だから、そんなあり得ないセリフが言える。読者はセリフに違和感を持つけど、同時に設定も理解しているから意味が分かる。これがインパクトにつながる」

「あー」

「文法が直感的に理解できていないとこういうセリフ回しはできないよね。日本語母語話者でないとこういうセリフはなかなか思いつかないかもしれない。文法的に見ても名ゼリフだよ、これは」

一気にそこまでしゃべった。脱線したようなしてないような。

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コメント(2件)

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まぁ、あなたにこのネタ振ったら食いつくよな(笑)。
大学時代も友人宅だったかでひとしきり「北斗の拳」ネタで盛り上がってたような気がする。
iMc
2012/11/17 19:02

あまりよく覚えてませんが、きっと語ったんでしょうねぇ。

『北斗の拳』、まあ好きなんだけど、実はそんなに自覚ないんですよね。その場で『HUNTER×HUNTER』ネタをつぶやいた学生さんもいたけど(キルアが心臓を抜き取るネタだったかな。「すでに死んでいる」つながりで)そちらはスルーしたので、思い入れはやっぱり違うのかな。

単に完全な脱線になるから良心で踏みとどまっただけかも知れませんが。
takosan
2012/11/20 17:58

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